古くは平安時代から日本酒を仕込むのと同じ方法で、日本酒を使って、大変甘いお酒を作っていたというのが起源とされています。
 室町時代に琉球より蒸留酒の製法が伝わって、米、米麹に焼酎が使われるようになり、1593年(文禄2年)の駒井日記に「美淋」「密淋酒」「味醂酎」等と表記されており、1602年(慶長7年)3月13日奈良の般若寺の家計簿にも「みりん酒3升195文」と記されており、それ以前からも製造されていたと思われます。
 又、1695年(元禄8年)の本朝食鑑にみりんの配合も記されております。

 安土・桃山時代から江戸時代にかけて、京都・大阪ではみりんを飲用にしたものを柳蔭、江戸では本直しと呼ばれ、多くの人々に親しまれました。当社にも柳蔭の看板があるのは、その名残でもあります。現在でも、正月元旦の「屠蘇酒」は、みりんに屠蘇散という薬草を浸して、家族の無病息災を願うものとして残っております。
 戦後、酒税法が制定され、みりんの定義が示されました。
 その時に、「もち米、米麹、焼酎」だけでなく、「アルコール、政令で定める物品(糖類等)」を加えたものと認められるようになり現在に至っています。

明治 3年 焼酎の製造開始
明治29年 みりんの製造開始
昭和19年 戦場下の状況に於いて、みりんの製造禁止となる。
昭和20年 みりん製造再開
昭和36年 焼酎 製造中止
昭和60年 純米本醸造 焼酎仕込み開始
平成 7年 阪神・淡路大震災によりみりん蔵倒壊のため、本社工場内に製造施設を移転。
平成10年 純米本醸造 量販店向けに販売開始
平成14年 有機米使用みりん仕込み開始
平成16年 有機米使用三年熟成みりん 販売開始

本みりんを使用すると、料理が美味しくなる
いろいろな調理効果があります。

煮物、焼き物など日本料理に欠かせません。
又、醤油と併せて使うと、醤油に含まれるアミノ酸とみりんの糖(ぶどう糖を主とした多くの糖類)が、重合してメイラード反応が起こり、これがつや・てりを増し芳香のもとになります。

みりんの成分の45%くらいは糖分で、そのうちの大半がぶどう糖です。
純米みりん(イ号みりん)の場合原料歩合が高いので、麹により澱粉が分解されて生じる糖分の種類も多く、他の製造方法をとったみりんよりもまろやかな甘さがあります。

みりんには、アルコール・糖類の他に、香り成分や旨味成分(たんぱく質が分解されて出来るアミノ酸)が微量ながら多種あり、食材の持つコクと旨味を引き立てます。

魚の匂いのもとは主としてアミン類という物質で、みりんの糖類と醤油などに多く含まれるアミノ酸が熱を加えることにより、アルファカルボニール化合物の物質ができ、魚のもつアミン類と反応して別の物質に変わり、匂いを消すことが出来ます。

みりんの成分はアルコールと糖分が主体なので、煮崩れのおこりやすい食材は糖類で身を引き締めアルコールの浸透圧により味が染み込みやすくなります。